書けた・・・ぜ・・・ガクッ・・・ [【東方】上白沢の書記【書いてみた】]

書けたどおおおお!(゜Д゜)

コレを書くにあたり、ちょいと幻想郷のお方に力を貸していただきました(´・ω・`)b

まあ、「文を書いている所を想像して書いている」みたいなもんですので、書いてる文が色々おかしくても・・・私が下手なだけですのでご了承を・・・w

それでは、これより以下は小話となりますので、もしよろしかったら次のリンクをクリックしてやってください。

~~~~ 始 ~~~~

 後世に残さなくてもよさそうなどうでもよさそうな日常。
最近、ふとこのような事でも後世に残しておきたいと思い始めた。
本当に理由もなく、ふと思い始めたのだ。
それで、どうせなら書物としてこのような出来事を書き記しておこうと思い、こんな文を書き記している。
まああれだ・・・、歴史書を見るような目で見ずに、御伽噺や短編の小説を見るような目で見てもらえると
書いているこちらもありがたいと思う。

さて・・・何から書き残していこうかな・・・。


上白沢 慧音




『親の心、子知らず』

~ 冒頭 ~

 そういえば、『親の心、子知らず』という言葉があったな。
親はいつも子どものことを心配しているのに、子供は親の気持ちを考えずに、
自分勝手で好きなことばかりしているという意味のことわざだと思ったが・・・。
でも最近思ったのは、なにもこういう事象だけがこのことわざって訳でもないと思ったな。
今回はそのような考えに至った小話を書こうと思う。


~ 幕開 ~

 春。私の開いている寺子屋も次の段階の勉学に進む者や、新たな生徒が入ってくる季節。
そのような季節に珍しい生徒が入ってくる事となった。

「橙の寺子屋への入学許可、感謝します。」
「なに、ここには妖精なんかも入ってきたりする。何も問題はないさ。
 むしろ他の生徒達にも色んな種族との交流がさせれる良い機会さ。」
 今私の目の前にいる者は、『八雲 藍』。幻想郷最古の妖怪『八雲 紫』の式神にして自身も式神使いという
化け物じみた妖怪だ(妖怪なのだから既に化物といえば化物なのだが・・・)
今回の用向としては、この藍の式神、『八雲 橙』の寺子屋入りの申し出。
藍が橙に人里にこのような場所がある事を話したら大層興味を持ったそうで今日に至った訳だ。
「しかし、勉学ならお主の所でも教えられるのではないのか?
 特に算学に至ってはそちらの方が上だろうに。」
「ははは、『算学は』な。しかし橙には他にも色々な事を学んでもらいたい。
 特にこの幻想郷の歴史や、人との交流の仕方なんかをな。」
「そういわれるのであればこちらも何も言いはすまい。
 喜んで教鞭を取らせてもらうさ。まあしかし交流の仕方は教えなくてもよさそうだ。」
 私は生徒達の入っている部屋に藍の視線を向けさせた。
そこには既に生徒達と笑いながら楽しそうに会話をしている橙の様子が見られた。
「うちの生徒達は一部の妖精や妖怪を見慣れているからな、すぐに溶け込むんだ。
 橙も自分が妖怪だということも分かっているだろうから何かあったとしても力の加減は判るだろう。
 まあ橙の事は心配ない、任せておいてくれ。」
「ふふ・・・、確かに問題はなさそうだ。
 ではよろしく頼む。」
 そういうと藍はこの場を去った。
恐らく自分の主の世話があるのだろう。
あの神出鬼没の主の事だ、今はもうどこぞに行って所在が知れないだろう。
まあ恐らくあの博麗の巫女のいる神社にでも行っているだろうし、藍も恐らくそう考えてそちらに向うだろう。
そう考えながら私は生徒達のいる部屋へと向った。
しかし部屋の戸を開けた時に待っていたのは古典的な悪戯、そうあの『あれ』だ・・・。
さて・・・、久しぶりの頭突きだ。・・・痛いぞ。


 夕刻。日も陰り、生徒達が帰路につき始めた頃、寺子屋の開かれている屋敷の前でじっと一点を見つめている子がいた。橙だ。
「どうした、帰らないのか?あまり遅くなるとお前の主も心配するだろうに。」
「藍様が迎えに来るって言ってたから、ここで待ってるの・・・。」
なるほどな・・・。
しかしこの子は何か考え事をしているような目をしているようにも捉えられた。
「どうした、何かあったのか?
 まあ無理に話せとはいわんさ、でも話してくれたら何か相談に乗れるかもしれんぞ、ん?」
 私はいつも生徒に言ってあげるようにこの子に言った。
まあ教師という名目もあるが、今回は興味があったと理由の方が大きかった。
正直、この子には思い悩むような事は無いのではないのかと思っていたからだ。
しかし目の前でこのようになっている所を見たら、興味を持つなという方が無理な話だ。

藍橙物語001_ラフ.jpg

しばらくの沈黙が続いた。
その後、言おうか言わまいか迷っていたのか、ポツポツと橙が話し出した。
「さっき・・・、仲良くなった子がね・・・、『お母さんが迎えに来た』って言って凄く嬉しそうに走っていったの。
 それで・・・、その子が『お母さん』って言うのが、その・・・、いいなぁって思って・・・。」
 なるほど、ようするにあれか、母親というものが欲しいということか。
しかしこの問題は簡単に解決するとは思うんだがな。
「お前には藍がいるじゃないか。それではダメなのか?」
「ら・・・藍様は私のご・・・ご主人様!私は藍様も娘じゃなくて従者!
 それに・・・、ご主人様である藍様にいきなり『お母さん』って言っても、叱られちゃうよ・・・。」
この子は・・・、良くも悪くも『純粋』なんだろうな・・・。
自分の置かれている環境をそのままの形で捉えてしまっているのか・・・。
でも、藍が橙を見つめている目はとても自分の従者を見ているような目ではなかった。
そう、まるで・・・。
「本当にそうかな?お前がそう思い込んでいるだけかも知れないぞ?
 なに大丈夫さ、藍はお前を叱ったりはしないさ。
 先生が言うのだから間違いはない。」
私はそう言うと橙の頭を少し強めに撫でた。
そうさ、この子は自分でもそうしたいと思っている筈だ。
そうでなければあんな風に言いよどんだりするものか。
「・・・ほんと?ほんとに藍様・・・怒ったりしないかな?」
「ああ、大丈夫。
 私を信じろ。私は嘘は言わない性分だからな。」
そう言い聞かせ終えた丁度いいところに、橙を呼ぶ声が聞こえた。話の主役のご登場か。
さて・・・、では私がしてあげる事はあとはこれくらいか。
「がんばれ、橙。絶対に大丈夫さ。」
そう言いながらまた橙の頭を撫でた。
「・・・うん!けーね先生、ありがと!」
橙はそう言うと藍の元へと走っていった。
私はその姿を見送った後、寺子屋の戸締りと夕飯を作る為に屋敷の中へと戻った。
おお、そういえば今日は妹紅が夕飯を食いに来ると言っていたな。
急いで作り始めないとな。まだかまだかと後ろから言われるのは適わん・・・。
そうだな・・・妹紅にもこの話をしてやろう。話も弾む筈だ。


~ 幕間 ~

 さて、ここで一旦物語を中断しよう。
ここからはあくまで私の想像で書いた話の続きになるからな。
何せ私はその後の話の場にいない訳だから、本物の続きを書ける訳がない。
その点を踏まえてこの後を読んでもらいたい。
しかしなんだな・・・、その後を想像して書くというのも、案外面白いものだな。


~ その後 ~

 夕日が射している小高い土手。橙の希望で少し歩いて帰りたいと言う事で普段は飛んで帰る筈の所を今はこうしている。
「橙、寺子屋はどうだった?楽しいか?」
「はい!人間のお友達もいっぱいできました。
 あ、あと知ってる子もいっぱいいましたよ。ミスティアちゃんとかリグルちゃんとか。」
 寺子屋での事を楽しそうに話す橙の姿を見て、藍はとても微笑ましい気持ちになった。
山の奥でひっそりと暮らしていたいままでの生活では見られない橙の姿を見たからであろう。
「そうか、よかったな、橙。」
藍はそう言いながら橙の頭を優しく撫でた。
橙は頭を撫でられながら、いつ言い出そうか迷っていた。
藍もその様子をおぼろげながらに察したのか撫でていた手を止めた。
「どうした、橙?」
「あ・・・、あの・・・、その・・・。」
言いよどむ橙。
いつ言い出そうか、ほんとに言っても大丈夫なのか、言ったら叱られるのではないだろうかという葛藤が
頭の中をぐるぐると廻っているのだろう。
そうこうしているうちになにがなんだかわからなくなってきたのだろう、目に涙まで浮かべるぐらいになりだした。
「ち・・・橙どうした!?私・・・何か言ってしまったのか!?
 もしかして・・・寺子屋で何かあったのか!?」
「ち・・・違います!そんなことないです!」
藍に対して言い返した言葉で少し落ち着きを取り戻したのか、橙は涙を拭いながら大きく深呼吸をした。
「ど・・・どうしたんだ橙、何かあったのなら私に言っ・・・。」
「『お母さん』!」
「・・・へ?」
藍は日頃聞きなれない単語が橙から発せられた為、呆けた顔をしている。
「今日寺子屋で仲良くなった子が『お母さん』って言ってて、それがもの凄く羨ましくて、
 私も言ってみたいって思って、でもご主人様である藍様にそんなこと言ったら叱られるって思って、
 でもけーね先生は、叱ったりしない大丈夫って言ってくれて、だから・・・その・・・、
 ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
 途中から泣き出しながらも勢いで言ってそのままベソをかいてしまった橙。
その様子を見て藍は橙の目の前に歩み寄り、そして優しく抱きしめた。
「馬鹿だな橙は・・・。私はそんな事で怒ったりするものか。
 むしろすごく嬉しいぞ。橙が私の事を『母』と思ってくれていたのだから。」
「ふ・・・ふぇ?」
予想していた事態にならず、混乱している橙。
更に藍は橙に微笑みながら言った。
「よし、今度はしっかり聞いてやるぞ。もう一度言ってくれ、橙。」
「お・・・お母さん・・・。」
何が起こっているのかさっぱりわからずまだ戸惑っている橙。
戸惑いながらも藍に対して橙はもう一度『お母さん』と言った。
「うああ・・・今まで生きてきた中で一番の幸せだ・・・。
 もう私はこのまま死んでもいい・・・。もう一度言ってくれ、橙。」
「・・・お母さん」
今度の橙はとても嬉しそうに、そう言った。
涙はまだ目に溜ってはいるが、もうこれ以上は出ないだろう。

藍橙物語002_ラフ.jpg


「ねぇお母さん・・・、今度から寺子屋に送ってもらうときや迎えに来てもらう時は、『お母さん』って呼んでもいい?」
「ん~、普段からそう呼んでくれても構わないのに・・・。」
「だ・・・ダメ!私のご主人様でもあるからずっとそう呼び続けるのは・・・。」
 橙が一生懸命に自分に言い聞かせるように言った。
橙は甘えてばかりはダメだと考えているのだろう。
藍も少し残念そうではあるが、了承した。
「お母さん、手、繋いで帰ろ?」
「ああそうだな、今日は手を繋いで帰ろう。」
その姿は異種族となれど親子さながらの姿であった。


~ 終幕 ~

 さて、これでひとまずこの話は終わりだ。
ちなみにその後、藍にどうなったかと話を聞いた所、大体は私の話の通りになったようだった。
おお、我ながらすごいじゃないか、自分で自分を褒めたい所だ。
『大体は』というのは、実は私の話の通りではなかった所が一つあったからだ。
それは、寺子屋の行き帰りの時『だけ』じゃなく、普段の生活の時でも『橙が甘えたい時』に言ってくれるそうだ。
なるほど・・・そこまで進展したか・・・。
というか藍にえらく感謝されたな、今度夕飯をうちに食べに来てくれまで言われたぞ・・・。
いや、妹紅がここの所毎回飯を食べにくるから気持ちはありがたいがと言ったら、『なら妹紅も連れてこればいい』とまでも言っている。どうあがいても私に来てもらいたいのだな。
というよりも橙に『お母さん』と呼ばれている姿を見せびらかせたいのだろう。・・・親馬鹿め。
しかしあれだな・・・こうやってみると、私も『お母さん』と呼ばれたくなってきたぞ・・・。
まあ子の前にそもそも私の相手を探さないといけないわけだが・・・。
だれか来ないものかな・・・。
というか何故誰も来ないんだ!?自分で言うのもなんだが私は女房向きだと思うぞ!?
この事を妹紅にも相談したんだが「どうだかねぇ」と言われる始末・・・。
くそう・・・こうやって書いてたら無性に私も子どもが欲しくなってきた・・・。
最近妹紅が帰った後の一人の時とか無性に寂しくなってくるようになっているし・・・。
ダンナも欲しくなってきた・・・。

よし!ここに書き記してもどうしようもないだろうが、書かして頂く!

【夫、募集中!】


~ 追記 ~
 後日、藍の主である紫が私の元を尋ねてきた。
用件はこうだ。
「毎日毎日、『お母さんって呼んでくれた!』『橙が愛苦し過ぎる!』『ちぇぇぇぇぇぇぇん!』ってうざい。あんたなんとか止めなさいよ。」
とのこと・・・。

・・・知るか。


~ 更に追記 ~
 最近、私の家の近くで傷害事件が起こっているみたいだ。
なんでも、若い男達が火傷を負わされるという事件らしいのだが・・・。
最近はそのような妖怪が人里に出没するのか・・・、妹紅に人里の見回りもするように言ってみようか。
私も自宅周辺では用心するようにしよう。私と妹紅がいるうちはこれ以上人里に被害は出させんぞ!うむ!



~~~~ 終 ~~~~
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コメント 3

marisa

こんにちは!
とうとう完成したんですね~楽しみにしてました!!
小説、すっごく読みやすいです。
普段から書かれているんですか?
本当にけーね先生が書いている感じがします!
言葉遣いとか、全然違和感ないし・・・。
挿絵も、橙のせつない感じとか、けーね先生や藍しゃまのやさしい感じとか、すごく出てると思います~。
続き読みたいなぁ。
シリアス一辺倒かと思いきや、最後や追記で面白くしてるあたりが、軍師さんらしいな~って思いました!
by marisa (2010-04-26 20:30) 

96

面白かったです!
個人的に勉強にもなりましたし(主に述語)
親の心子知らずの使い方が上手すぎます!
思わず「なるほど・・・」とか言っちゃいましたよww
橙は違う意味で親の心子知らずでしたが、藍もまた本当の意味で親の心子知らずw

お母さんって言われて怒る人なんて居ませんよね^^
先生は生徒からお母さんと間違われるものを一つのハードルとして見てるとかなんとか・・・(全然関係無い話ですがww)

で、最後は果たして続編を思わせるものなのか、妹紅の仕業なのか・・・w
by 96 (2010-04-26 21:27) 

名も無き軍師

コメントありがとおお^^

>marisaさん
>

>小説、すっごく読みやすいです。
>普段から書かれているんですか?
>
ありがとうです~。
ん~、実はそこまで書き記してはいなかったりするんです。
頭の中で想像しているだけというかなんというか・・・(つまり・・・妄想?w)
思いついた時に書き出すくらいですかねぇ。

>続き読みたいなぁ。
>
よし、がんばるw

>シリアス一辺倒かと思いきや~

いや~個人的に八雲一家は基本ギャグですのでw
あと慧音に絡む妹紅も基本ギャグ・・・w


>96さん
>

>面白かったです!
>
ありがとおお!自信出てきましたYO!

>親の心子知らずの使い方が~

いや~なんかこの親の心子知らずっていう言葉が悪いイメージでしか使われてないような感じが個人的に好ましくなかったものでして・・・;;

>先生は生徒からお母さんと間違われるものを~

小学校の頃、本気で言い間違えた俺がいるっていうのはここだけの話だ(゜Д゜)

>で、最後は果たして続編を思わせるものなのか、妹紅の仕業なのか・・・w

あ~、ぶっちゃけ妹紅の仕業っすw
でも・・・ガチで慧音先生のダンナになれるなら・・・イイにゃぁ・・・w

by 名も無き軍師 (2010-04-26 23:34) 

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