かなあああああり遅くなりましたが、ひっさびさの更新!上白沢の書記 その2! [【東方】上白沢の書記【書いてみた】]

っしゃあああああ!かけたああああ!
・・・といっても実は書き出す作業としては2時間ぐらいでできたわけなんですが(;´・ω・)
べ・・・別にサボってた訳じゃ・・・ないんだからね!
別の世界の危機を救ってただけなんだから!ほんとなんだから!!

・・・正直・・・すまんかったw

というわけでして、『上白沢の書記 その弐』!


上白沢の書記 その弐 『機械では難しい子ども達の採点』strong>



 外は快晴、風がそよそよと吹きとても過ごしやすい日だ。
しかしその中でも、とても淀んだ、重い空気の場所があった。

『上白沢 寺子屋』

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 子ども達の空気が重い。そして顔も渋った表情をしている。
それもその筈だ。今日は俗に言う「抜き打ち試験」だ。
私に元気よく挨拶をして、愛くるしい顔で笑顔を向けるこの子達には少々可哀想な事をしてしまったかなと今更ながら思った。
だが安心しろ、今日は『ある意味勉強である意味勉強ではない』。
まあこの紙を配るまではそんなことは知る由もないだろうが・・・。

「ではみんな、今から問題を配るぞ。」
私は先頭の机に座る子ども達に一枚ずつ取って後ろに回すように事伝えた。
紙に書かれた内容を見た子ども達は、目をぱちくりとさせていた。
それもそうだ、何せ紙には1つの設問と大きな枠が一つ作ってあるだけだからだ。
設問の文を以下に記す。

『ある所に、上方村と下方村というがありました。
どちらの村もそれほど作物に恵まれてはおらず、日々を生きていくことが精一杯でした。
ある時、上方村の一部の者がその苦しみに耐え切れず、下方村に略奪をはたらいてしまいました。
それに怒った下方村の人々は、仕返しとばかりに上方村に略奪をはたらいてしまいました。
実は下方村の一部の者も、近々上方村に略奪をはたらこうと考えていたようです。
さて、これはどちらの村が悪いでしょうか?』

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 試験の翌日、今日は寺子屋の休みの日である。
だが子ども達の教師である私に休日というものがあるはずもなく・・・。
今は先日の子ども達の試験の内容を一つ一つ目を通している。
こうやって見ていると、色々な意見が飛び交っていて凄く面白い。
と、まったりとした空気の中、誰かが私の家に訪ねてきた。
「けーねせんせ!実はとても便利な物を発明しちゃったんですよ~!一台買ってもらえませんかねぇ。」
・・・妖怪の山の河童、『河城にとり』だ。そういえばこやつは発明家であったな・・・。
「折角だが遠慮しておくよ。」
「ちょ!?まだ何も見てないじゃない!そりゃないよせんせぇ!」
ちい・・・適当にあしらうだけでは退かないか・・・。
「いや今度の発明はほんとすごいって!試しに一度見てみてよ!」
何時に無く強気なにとり。実は今回は本当に凄い発明なのかも・・・?
「・・・取り敢えずどんなものか見せてもらおう。」
・・・見るだけならタダだろうしな・・・。
生憎私は金銭には余裕はない。最低限の食料等は寺子屋に来ている子ども達の親から分けてもらっている。
ありがたいことだ。
「それでは・・・。ここに取り出しますは一台の機械!そしてもう一つはこの魔法の紙!
この紙には試験の設問のように分類分けされて番号が振られて書かれております。
そしてここからが重要! この割り振られた番号の所を数箇所、筆で塗りつぶします!
そしてこの紙をこの機械に通すと・・・。」
にとりが紙を機械に通すと先ほどの紙とは別の紙が機械から吐き出された。
「吐き出されたこのもう一枚の紙、実は先ほど塗りつぶした番号を設定されたルールに基づいて
集計された数値が書き出されているのですよ!」
「ほう、つまりその機械の設定を上手く弄れば・・・。」
「寺子屋の試験の点数の集計などもお手軽になりますよ~。どうですか!素晴らしいでしょう!ね!ね!!ね!!! そしてその名は、名づけて!『まあくしいと』!」
確かに・・・楽にはなる。だが・・・。
「すまんなにとり。確かに便利ではあるが、私には必要のないものだよ。」
「え~なんでですかぁ!試験の採点とかが手早く終われば、けーねせんせも休日とかができるかもしれないじゃないですかぁ!」
う~む、なんと説明したらよいのやら。
・・・と考えていた私の視界にとあるものが入った。
子ども達の試験の紙である。
「にとり、これを数枚読んでもらえないか。」
「なんですかこれ?何々~・・・っと。」
最初は何気なしに目を通していただけのにとりだが、二人目の内容を見だしてから段々と興味深そうな顔に変わっていった。
うむ、にとりは別に視野が狭い訳ではないからな。理解が早くて助かる。
「せんせぇずるいなぁ・・・。こんなに色々な答え方があるんじゃぁ機械じゃとても採点できないよ・・・。」
「だろう?それに私は子ども達の採点は好きだ。ある意味休日みたいにさせてもらっているさ。
どうだ、明日はこの設問を使って討論会をしようと考えているんだ。お前も見に来るかい?
まあ討論会といっても、まだ幼い子たちの討論だから、お話し会みたいなものだがな。」
答えは・・・まあ聞かなくても分かる。
にとりの目が光っている。まあ発明のきっかけに大いになると思っているのだろう。

慧音小話02_001.jpg

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翌日、寺子屋で討論会が始まった。
「絶対上方村の方が悪い!だって襲わなかったらこんな事にはならなかったもん!」
「ちがうよ~!襲わなくっても下方村が襲うもん!計画もしてたっていうし!」
「というかやられたらやりかえすっていうのも悪いことだよ!」
「む・・・むう・・・」
お~お~、悩め悩め子ども達。その悩んでいる時が一番勉強になるんだ。
やはり色々な事を考えている子ども達の表情は見ていて飽きないな。
そう考えていると一人の女の子と目が合った。
そういえばこの子はすっと考え込んだまま何も話していなかったな。
「どうした?何かひっかかっているような顔だが、何かおかしいところでもあるのか?」
そう私が言うとその子はおずおずと喋り出した。
「先生・・・。なんで上方村と下方村の人たちは、仲良く強力しようとしなかったの?」
その言葉に子ども達みんなが反応した。
「そうだよ!なんで強力しないんだ?」
「一番いい方法なのにね~。」
正直、驚いた。そして私は、子ども達を甘く見すぎていたと深く反省した。
そう、この子達はこんなにも早く答えに辿り着いたのだ。
私が本当に聞きたかったのは、『どちらが悪いか』ではない。『どうしたらよかったか』だったのだ。
「・・・そうだな。それが一番いい方法だ。でもそれができない大人もいるんだ。」
今の現実を告げると子ども達は全員して落胆した。
「え~、なんだよそれ~。」
「大人はバカだな~。簡単なことなのに~。」
「俺、絶対にそんな大人にはなんね~ぞ~!」
私の感覚からすると、これは簡単な事ではない。だが、この子達は一切の淀みもなく『簡単なこと』と言い切れたのだ。
あの神出鬼没の妖怪、『八雲紫』から聞いた話によると、外の世界ではこのような争いが未だに起こっている国もあるそうだ。
もし外の国の人たちに伝えられたなら、今の子ども達の話を聞かせてやりたいところだ。
取り敢えず、今日の子ども達の評価は全員『優』だ。
そういえばあの河童はどうしているのだろうか・・・、あまりの感動に目を向けていなかったが・・・。
その時、私の視界に一枚の書き置きが入った。
『新しい発明案が思いつきました!山に戻ります。良い討論会をありがとう。』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

後日、またも私の家ににとりが訪ねてきた。まあ今回は物売りではないが。
どうやら新しい発明を開始し出したそうな。ただこれは多大なる時間がかかるかもとも言っている。
にとりが作りたいと言っているものは、『人間のように考えることができる脳のようなものを持った機械』だそうな。
『ああいう問題に対して考えて意見を言えたり、悩んだり、果てはその答えを言わせたり、更には先生みたいに採点
させたりするんだ!』と息巻いていたな。
あの人形遣いの持ってる人形みたいなものかと言ったら、『それとはまた別モン!ああいうものとは違う!!
・・・まあけーねせんせには技術者としての達成感の話をしても分からないだろうなぁ・・・。』といっていた。失敬な。


余談:
後日、この話を八雲紫にしてみた所、外の世界には既にそれに近いことができる機械があるそうな。
といってもまだ所詮機械という段階らしいが・・・。
願わくば、その機械は、寺子屋の子ども達のような考えができる子になっていますように・・・。



- 終 -



さてさて、いかがだったでしょうか?
なにぶん急いで仕上げたもんで結構支離滅裂というか何が言いたかったのか上手く伝えれなかったかもですがw

実際の所、軍師はこの設問、結構悩みました。
『どちらも悪い』って自分で問題作って自分で中途半端な回答しちゃいましたよw
んで、書いてる最中にふとあの女の子が言った事が思い浮かんだんですよ。
『な~んでこんなに簡単な事ができないんだろうな~』と思いまして・・・。
でも実際、そんな簡単にはできね~よ!ってなりそうですね。
でも軍師的にはこう思います。
『争うこと、憎むことは誰だってできます。じゃあ逆に手を取り合うことだって誰だってできるんじゃないのかな?』

少し違う意味合いにはなっちゃいそうですが、とあるゲームにてこのような名台詞があります。
『自分と相手を信じ続けるんだ。時には裏切られたり悲しい目にあったりするかもしれない。それでも、相手を信じ相手を信じ続けた自分を信じるんだ。そうすれば、最後はもっとうまく行く。』
手を取り合うことってこれが真理だと思っています。

ちなみに、『人間のように考えることができる脳のようなものを持った機械』って遠まわしな言い方しましたが、ようは『人工知能』っすw あれの更に強化版みたいなものをにとりは作りたいって言ってるんですよ。
もうさながら一人の人物のように考えれる人工知能を・・・。
でも、もうそこまでいったら、もうそれは機械じゃなく、一人の個(子)ですよねw

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96

待ってましたよー!
程々に感想をば・・・

テストの問題でNHKでやってた大学の哲学授業を思い出しました。
若干違いますが(ぇw)
それは1人を殺して5人を助かるか、5人を殺して1人を助けるかという問題で
色々設定があるので割愛しますが、どちらも正解ではないが選択しなければならないという問題でした。
やっぱり違いますねなんかw

おっぱ・・・あ、いや、けーね先生!
でも、僕はにとりの方が好き。貧乳だk(ry

>「先生・・・。なんで上方村と下方村の人たちは、仲良く強力しようとしなかったの?」
>この子達は一切の淀みもなく『簡単なこと』と言い切れたのだ。
でも、最近の子供にはこういう気持ちが無いんですよねぇ・・・orz
大人がそんなだからだよ。
by 96 (2010-06-24 17:35) 

名も無き軍師

コメントありがとおおおおう^^

>96さん
>
いや~似てると思いますよ~。
結局のところは両方共正解ではないのですよ。
個人的には両方助けるのが正解と思ってますw
でも人によっては両方助けないのが正解かもですし、Aが正解かもBが正解かもわかんないです。
正直、この世の中本当に正解っていうものはあるのかっていうのがそもそもの疑問となってきましたよw

>でも、最近の子供にはこういう気持ちが無いんですよねぇ・・・orz
大人がそんなだからだよ。
>
ですよねぇ・・・;;
でもせめて、自分自身に息子や娘ができたら、『仲良く強力するのが大事』って事ぐらいは教えたいなぁ(´・ω・)
by 名も無き軍師 (2010-06-28 00:53) 

超リチャード

どうも、お久しぶりです軍師さん。最近の調子はどうですか?
小説読ませていただきました。確かに難しい設問ですよね。
協力しあえばいい、簡単なことだけど大人になるほどにそういう柔軟性というかなんというか、そういうものって減っていってしまうんですよね。でもやっぱり信じるってことが大切なんだと思います。
あと、最近ドロップシッピングというものを初めまして。
ライブドアのほうでそれに関するブログを書いてます。
タイトルは「元祖リチャードの店長ブログ」http://blog.livedoor.jp/klaue1116/archives/487519.htmlです。
良かったら、本家ともどもたまに覗いてやって下さい。
by 超リチャード (2010-08-08 15:13) 

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